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クラップスのオッズベットの考え方

 クラップスではパスラインとカムにしか賭けない、という戦術は間違いではありません。(よっぽど直感がするどい人でなければ)。ただ、オッズベットを加えなければ期待値はそれほど上がらないということをご存知でしょうか?というのもマカオでオッズベットをしている人は意外と少ないのです。

 例えば、パスラインやカムとプレースベットを比較した場合

パスライン(配当1倍)・・・カムアウトロールの勝率・・・・・・・・・・・22.2222%
                  ミッドゲームの勝率・・・・・・・・・・・27.0707%
                              Total・・・・・・49.2929%
                   期待値= 49.2929%×(1+1)   =98.5859%

プレースベット 6・8 (配当7/6倍) ・・・・勝率(5/11) ・・・・・・・・・・・ 45.4545%
                 期待値=45.4545%×(1+7/6)=98.48475%
プレースベット 5・9(配当7/5倍) ・・・・勝率(4/10)・・・・・・・・・・・・・・・・40%
                   期待値=40%×(1+7/5)        =96%
プレースベット 4・10(配当9/5倍) ・・・勝率(3/9)・・・・・・・・・・・・・33.3333%
                 期待値=33.3333%×(1+9/5)= 93.3333%

となり、トータルでは確かにパスラインとカムの方が有利ですが、カムアウトロール以降の勝負になると、配当の面でプレースベットの方が断然得です。しかもパスラインやカムはポイントが4・10になると勝率がぐっと下がります(期待値も66.666%)が、プレースベットでは自由に数字を指定できるため、 6と8以外に賭けなければ高い勝率も保障されるわけです。
 しかしパスラインやカムではオッズベットを加えることで、期待値をこれに近づけることができます。

 オッズベットは、ポイントができた後、Bet額の倍額まで追加することができるルールですが、この追加分の額への配当は、通常の1倍ではなく、
             7の出現率/ポイントの出現率
になります。例えば、ポイントが4の場合、7は2倍出やすいため、オッズベットの配当も2倍になります。ダブルオッズ(1の元Betに、2のオッズ)を加えた場合、

ミッドゲーム(6・8)の勝率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45.4545%
            期待値=45.4545%×((3+1+1.2+1.2)/3)=96.9696%
ミッドゲーム(5・9)の勝率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40%
             期待値=40%×((3+1+1.5+1.5)/3)    =93.3333%
ミッドゲーム(4・10)の勝率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.3333%
             期待値=33.3333%×((3+1+2+2)/3)   =88.8888%

となり、ポイントが4や10の場合は加えない場合に比べると20%以上も期待値が上がるのです(なお、常にダブルオッズを賭ける場合のトータル期待値は99.39%)。
 もちろん、オッズベットを加えることで勝つ確率が高まるわけではなく、一回の賭け額が大きくなってしまう懸念がありますが、カジノに対して有利に立てるルールであることは間違いありません。

ではドントパス・ドントカムは?

 ドントパス、ドントカムの場合のオッズベットは配当率は低いですが、期待値が100%に近づくため、やはり有利、と考えがちです。あるサイトでは控除率についてこう書いてありました

・パスライン・・・1.41%
・ドントパス・・・1.36%
・パスライン オッズ賭・・・0.85%
・ドントパス オッズ賭・・・0.68%
・パスライン ダブルオッズ・・・0.61%
・ドントパス ダブルオッズ・・・0.46%

 やっぱり有利、だと思いますよね。


 間違ってます。

 仮にドントパスで、ポイントが5の時が300回あったとします。毎回1賭けて確率通りに勝敗がつくとすれば7の出る割合と5の出る割合は6:4なので

勝ち 180回
負け 120回
Total 60勝ち

ですよね。勝ったら1増え、負けたら1減るので、実質勝ち分は60です。

では、同じように、ポイントが5の時100回に全てダブルオッズを賭けてみましょう。
つまり、一回に3賭けることになるので先ほどと合計額は同じになります。

勝ち  60回
負け 40回
Total 20勝ち

です。勝った分の払い戻しは1+2/3+2/3なので、勝ち分は140ですが、負け分は3なので120です。つまり、実質勝ち分は20にしかなりません。同じ額を投入してこれでは割があいませんよね。

 では「控除率」とは何なのか?

 これは、「カジノ側から見た利益率」です。オッズの期待値は100%ですので、これを各賭け方に加えれば、計算上はカジノの控除率が下がる仕組みになっています。しかし、オッズベットはポイントができてからの勝負で、その時点ですでにゲームの勝率が決まっています。見た目の数字を鵜呑みにせず、しっかり考えるべきなのです。

 さかのぼって、ドントパスやドントカムは、ポイントが設定された後は50%以上の確率で勝てます。つまり、この時点での期待値は100%を超えているのです。だからオッズベットを賭ければ賭けるほど100%に近づく、つまり、損をすることになるのです。気をつけましょう。

 オススメの賭け方としては、やはりパスラインとカムのオッズベットです。ドントパスやドントカムを使いたいならオッズベットをせずに(ある程度大きな額で)勝負、といいたいところですが、パスライン・カムとドントパス・ドントカムの期待値は実質的にはそこまで差がありません。

ドントパス(配当1倍)・・・カムアウトロールの勝率・・・・・・・・・・・・ 8.3333%
                      引き分け率・・・・・・・・・・・・・2.7778%
                  ミッドゲームの勝率・・・・・・・・・・・39.5960%

         期待値= (39.5960+8.3333)×(1+1)+2.7778   =98.6364%

と、確かにパスラインとカムを上回りますが、これはドントパスやドントカムには引き分けがあるためで、引き分けを無視するならば

 期待値= (39.5960+8.3333)/0.972222×(1+1)   = 98.5974%

となり、実質的にはパスラインやカムとほとんど変わりません。つまり、オッズベットを考えればドントパスやドントカムよりもパスラインやカムの方が断然効率がよいことになるのです。


※2007年10月の情報を掲載しております。時期・時間帯によっては、掲載内容と事実が異なる場合がありますことをご了承下さい。
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